「耳を痒がっている気がする」「耳臭がする」「耳介がギザギザになっている」など、デリケートな生き物だからこそ、普段と違う様子がみられると気になってしまいます。
そこで今回は、ハリネズミの耳に多いトラブルや対処法、毎日のケアについてを紹介します。
目次
ハリネズミに耳掃除は必要?
ハリネズミには、耳掃除の必要はありません。
ハリネズミの耳はとてもデリケートです。綿棒できれいにしようとして、耳の粘膜を傷つけてしまったり、汚れを耳の奥に突っ込んでしまうことがあります。
また耳垢に見えても、耳のトラブルによる分泌物だったということもあります。むやみに掃除をしようとせずに、動物病院で処置をしてもらうことをお勧めします。
耳のトラブルにはどんなものがある?
歳を重ねるごとになりやすい病気や、飼育環境で防ぐことができるトラブルなどがあります。耳の病気やトラブルにはどんなものがあるのかを知り、早期治療やケアをすることが大切です。
耳ダニ症
症状 |
ワックス状の耳垢が出る |
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激しい痒みを伴う | |
痒みや違和感からの食欲不振 | |
原因 | 感染している動物との接触 |
激しい痒みから、体をしきりに強く掻くためフケが多くなり、針が抜け落ちます。新しい針が生えてくるまで時間がかかりますので、異常を感じたらすぐに治療を受けさせてあげましょう。治療法は駆虫薬の投与によって行います。
外耳炎
症状 |
耳垢が汚れ、膿状の分泌物により悪臭がする |
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激しい痒みにより、しきりに頭を振る | |
顔や耳を触られるのを嫌がる | |
原因 | 細菌や真菌、耳ダニの感染 |
耳の汚れが酷いからといって、無理に自分で耳掃除をしようとせず、動物病院で処置をしてもらってください。汚れを奥に押し込んでしまったり、皮膚を傷つけたりして悪化させてしまう恐れがあります。
耳介のふちの異常
症状 | 耳介のふちがギザギザになったり、カサカサになる |
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原因 |
栄養バランスが悪い |
皮膚の分泌物が溜まっている | |
飼育環境が不適切(乾燥しているなど) |
ハリネズミの最適湿度は40%だといわれています。耳介のふちに異常が見られる場合は、食事や飼育環境の見直しなどを行いましょう。
真菌症(皮膚糸状菌症)
症状 |
耳介がギザギザになったり、カサカサになる |
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円形脱毛、フケ、カサブタがみられる | |
痒がる様子はない | |
原因 | 飼育環境が不適切(湿度が高いなど) |
真菌はカビの一種なので、湿度が高いと感染しやすくなります。飼育環境はカビが生えてしまわないように清潔に保ち、除湿器を使用するなどの湿度管理が必要になります。
真菌症は人と動物の共通感染症ですので、お世話のあとは石鹸でよく手を洗うなど衛生面の注意をしてください。治療は抗真菌薬の投与や薬湯を行います。
落葉状天疱瘡(らくようじょうてんぽうそう)
症状 |
かき壊しや全身の針や毛が抜ける |
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眼瞼や鼻・耳、手足が赤くただれる | |
体全体に水疱ができる | |
原因 | 自己免疫性の皮膚疾患 |
とても珍しい稀にみる病気で、免疫が自分の皮膚を攻撃するために起こる自己免疫性の皮膚疾患です。治療法としては抗生物質の投与、ステロイドや免疫抑止剤を使用して行います。
紫外線、遺伝的要因、細菌・ウイルスの感染・アレルギーなどが一因となっていると考えられていますが、はっきりしたことは分かっていないようです。
ハリネズミ耳のトラブル対処法・まとめ
ハリネズミの耳掃除は逆に耳のトラブルの元になったり、耳垢を奥へと押し込んでしまうことがあるので、耳臭が気になったら動物病院でケアしてもらうことをお勧めします。
また耳臭が気になるときや、耳垢が気になるときは、何らかの耳のトラブルを抱えていることが多いので、まず動物病院を受診することが早期発見・早期治療に繋がります。
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