ペットとしてはまだまだ珍しいハリネズミについての雑学や豆知識などについて詳しく紹介します。ハリネズミ初心者が誤認識しがちな情報、ハリネズミの生態についての雑学、ユニークな豆知識までをまとめてみました。
目次
ハリネズミはモグラの仲間でもない?
ハリネズミが「ねずみ」と同じ生き物ではないというのは有名な話で、多くはモグラの仲間だといわれています。が、正確にいうとモグラの仲間というのも少し違います。
ハリネズミとモグラの分類
ハリネズミは「ハリネズミ形目ハリネズミ科ハリネズミ亜科アフリカハリネズミ属」という分類に分けられています。一方モグラは、トガリネズミ形目モグラ科という分類に属しています。
つまり、ハリネズミはハリネズミ科、モグラはモグラ科…ということです。ハリネズミはモグラの仲間といわれていますが、全く違った分類の生き物だということになります。
モグラの仲間といわれている理由
モグラとの共通点
- 「食虫目」に分類されている
- 視力がよくない
- 穴を掘る習性がある
- 鼻の形が似ている
- 歯が柔らかく、伸び続けることがない
上記のような共通点があるので、ハリネズミはモグラに近いといわれています。ですが、分類分けで見てみると違う生き物ということになります。ですので、正確にいうと「ハリネズミはモグラとは違う生き物だけれど、有名どころでいえばモグラと似た生態である」というのが正しいようですね。
野生下と飼育下のハリネズミは全然違う
これは実際に勘違いしていたというハリネズミ初心者さんが結構居るのですが、インターネットなどで「野生下のハリネズミは冬眠に備えてご飯を蓄える」という情報を見て、飼育下のハリネズミも冬眠するのが当たり前なんだと混同してしまっていることがあります。
ハリネズミは、野生下と飼育下では全然違った生態をしています。飼育下のハリネズミにとって、冬眠や夏眠などの誤認識は命に関わるのでとても危険です。情報は正しいものを正確に取り入れて、適切な飼育をしてあげたいですよね。
伊豆で野生のアムールハリネズミが生息
中国からきたアムールハリネズミが伊豆で野生として生存しています。これはハリネズミを輸入した飼い主が飼育を放棄して、遺棄した個体が繁殖を繰り返し増えていったようです。
デリケートなハリネズミが野生下で暮らしていると聞くと心優しい人は飼育してあげたいという気持ちになってしまいますが、ハリネズミは特定外来生物として飼育や移動をさせることは禁止されています。
また見かけても触れないようにしましょう。野生下のハリネズミはダニが多く付着している可能性が高いので接触してしまうと飼育しているペットへの感染の影響が心配されます。
ハリネズミは「幸運のシンボル」
ヨーロッパではハリネズミに出会うと幸運が掴める、背中に幸運を乗せて運んでくれるという言い伝えがあり「幸運のシンボル」として親しまれています。また昆虫を食べることから庭の番人とも呼ばれ、ガーデニングを楽しむことの多いヨーロッパでは神聖な生き物として愛されています。
ヨーロッパでは幸運を呼ぶためのグッズにハリネズミをモチーフにしたものが多く、お守りとして大人気です。
中東やエジプトなどでは食用とされている地域があり、リウマチに効くなど薬用とされていて、夜行性なので夜の守り神として崇拝されていたという説もあります。
ハリネズミのジレンマ
ドイツの哲学者ショーペンハウエルの寓話から生まれた哲学用語に「ヤマアラシのジレンマ」というものがあります。ハリネズミのジレンマは、このヤマアラシのジレンマがルーツになっています。
ヤマアラシ・ハリネズミのジレンマの内容
仕方がないので距離を置くことにしますが、愛し合っている2匹は諦めきれずに近寄ります。でも近寄るとまた針が刺さって痛いのです。
そんなこんなを繰り返している内に、2匹は『針の刺さらないちょうど良い距離感』を見つけることに成功します。
これは、恋愛に限らず人間関係を表した哲学用語で、近づきすぎると傷つけてしまう、人にはちょうど良い距離感がありますよという話です。日本でもよく似た言葉で親世帯と子世帯が近距離別居するときに「スープの冷めない距離に住むのがちょうどいい」といいますね。
ヤマアラシ・ハリネズミジレンマの違い
ハリネズミのジレンマはヤマアラシのジレンマがルーツとなっていて、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』で、ヤマアラシは相手を攻撃するために針をたてるけれど、ハリネズミは自分の身を守るために針をたてるといった特徴の違いから使用されていた造語です。
ヤマアラシをハリネズミのジレンマとして置き換えた理由の1つに、ヤマアラシは針を刺しても自らで抜くことは出来るけれど、ハリネズミは針を刺すと抜けないといった不器用で悲し気な意味合いが含まれているようです。
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